政治家の車

昨日から報道の中心が自民、民主の新しい代表選の事が多くなっている。

まあ、選挙も近いらしく、自民に至っては次期総理の可能性が強いのだから尚更だ。

しっかし、どの顔ぶれも・・・・

その時に思い出したのが映画で観た「吉田茂」で有り、偶然にも昨日土曜日のNHKで「負けて、勝つ」という吉田茂の半生を描いたドラマを観てしまいました。

映画での森繁久彌の好演が焼き付いている私に渡辺謙は一寸重みと凄みに欠けるとは思ったけど流石に名優で有りますね。観ているうちにコレも有りかと感じていくから。

さて、ここで政治論を唱える気はナイので、少し目線を変えてみましょう。

このドラマでは吉田茂が当時、本当に愛用していた車が登場してます。(本物らしい)それが1936年型ロールスロイス25/30HPスポーツサルーンで有ります。

英国大使館時代に公用で手に入れて、そのまま日本に持ち帰ったって云うから本当に好きだったんでしょうね。

しっかし、彼が晩年に乗っていたのは1963年式メルセデス・ベンツ300SEラングというドイツ車でした。

実は総理時代、西ドイツに訪問した時に西ドイツ首相にメルセデスを勧められ、購入を約束したらしいのです。ですが外資不足の当時は輸入車制限も有り、総理であっても在任中の購入を断念するしか有りませんでした。

そして現役を引退した輸入規制が落ち着いた頃に、昔の約束を果たして購入したのがメルセデス・ベンツ300SEラングという車なのです。


本当に車好きだったんだなあと単純に思うわけでなく、置かれた立場や環境の中で、いかにして自分が欲するモノを必ず手に入れるか..その為にはいつまでも待つ事も大事な手段だと教えてくれてるようです。(勿論、ただ待つだけではナイですが)

実際に彼はこうも云ってます。

「10のうち、9を失っても、手に入れたい1つを必ず得る。」と。

自分を政治家ではナイと云ってはばからなかった彼が、混沌とした戦後の日本を独立した国家へと導いた「信念と覚悟」を、今度の総理には期待したいです。