ハチロクを見て・・

今では当たり前のDOHCエンジン。

コペンも軽カーなのにDOHCです。まっ、600ccから始まって800ccという小排気量で8000回転以上廻るDOHCだったホンダSシリーズを思えば驚く事ではナイですが、それでも私が20歳代の頃は非常に特別な高性能エンジンでした。

当時のスターはセリカGTシリーズとスカイラインGTシリーズですが、GTR以来DOHCを載せないスカイラインGTを「名ばかりのGT」と云っていたトヨタファンに対してスカイライン党は「4バルブでなければ意味がない」とか云ったかどうか・・

そんな時代に安価なホットカーがトヨタから発売されていました。

大衆車のカローラ、スプリンターに1600ccDOHCを載せた初代「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」です。

安価で1トンに満たないコンパクトなFRに当時では最高馬力(1600ccでは)の115馬力(ハイオク使用)だった訳ですからスポーツカーファンが熱くなるのも分かります。

ノーマルボディにオーバーフェンダー武装してGTマークが誇らしげでした。

私の友人も中古で手に入れたレビンをホイールスピンさせながら走っていたのを思い出します。

格下のモデルでも105馬力〜110馬力程度は出ていた時代で、たかが5馬力〜10馬力の上乗せに一喜一憂していた訳ですから「4バルブでなければ意味がない」ってのも頷ける訳で、今考えるとDOHCという幻に踊らされていたのかもしれません。

それでも、DOHCが高性能エンジンである事は事実で、それを大衆車ベースに載せて若い人達に提供してくれたのは大きな意味があったと思っています。馬力だけでは計れないフィーリングや、それに合わせた足回りなどの開発とチューニングは後のハイパワー時代の礎となり、スポーツカー好きを育てた貴重な車であったと考える次第です。

さて、トヨタから新発売された「ハチロク」並びに兄弟車スバル「BRZ」が、エコだらけの車社会で、昔のように若者のスポーツカーとして根づくのか・・・

何か立派になってしまった姿を見ると、若者と云うより「大人のスポーツカー」って感じがするのは私だけでしょうか。

今の時代に若者へアピールできるスポーツカーは、もっとコンパクトで維持費も安くなくては難しいかもです。そして、昔のDOHCに代わる新しい価値観の付加価値が付く必要が有ると考えてしまいます。

その付加価値とは何か・・色々と難しい時代ですから、専門家を含めヨ〜ク考えた方が良いと思いますですが、その一つがオープンカーではないかと期待してます。